南加賀の和菓子5選!小松市・加賀市・能美市で見つけた名店まとめ
南北に細長い形をした石川県は、おおきく二つに分けると上半分が”能登”、下半分が”加賀”というグループになっています。
その中でも、加賀地方の南部にあたる小松市・加賀市・能美市・川北町の4市町は、まとめて「南加賀」と呼ばれ、伝統工芸や歴史、温泉地に自然の恵みなど、さまざまな魅力がぎゅっと詰まったエリアなんです!
今回は、そんな南加賀エリアの町の魅力をお伝えしつつ、地元で親しまれてきた和菓子店とその看板商品をご紹介!
旅先でのおみやげ選びやちょっと特別なお取り寄せのヒントに、ぜひお役立てくださいね。
その1:石川県第二の都市!歌舞伎の町としても知られる小松市

石川県で二番目に大きな都市・小松市。小松空港があることから、“石川県の玄関口”とも呼ばれています。
また、歌舞伎十八番「勧進帳」の舞台となったことでも知られ、今もなお“歌舞伎のまち”としての誇りが息づいています。
なかでも、年に一度の「お旅まつり」は大盛り上がり!子どもたちによる「曳山子供歌舞伎」が披露され、多くの見物客で賑わいます。
そんな小松市の名店和菓子がこちら!
御朱印・littleりとる|加賀菓子処 御朱印(小松市)

昭和23年創業、地元・小松市で愛され続ける和菓子店『御朱印』。看板商品は、店名と同じ「御朱印」の名前がついたチョコレート饅頭です。
御朱印は、もともとベーシックなチョコレート味のお饅頭だったのだそう。三代目社長が「若い人にも親しまれるように」と考案したのがこのカラフルで可愛い「littleりとる」シリーズなんですって。
卵の黄身餡を包んだお饅頭を、チョコレートで薄くコーティング。きなこ、いちご、チョコ、抹茶、キャラメルなどいろいろな味があって色合いも可愛いから、ちょっとした手土産にも喜ばれそう!
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加賀せんべい|長池製菓堂(小松市)

小松市の和菓子店『長池彩華堂』のおすすめは、この地域に代々受け継がれてきたという「加賀せんべい」。
せんべいと言っても米菓ではなく、小麦粉を原料につくるのが特徴。実は米菓のおせんべいより歴史が古く、奈良時代に中国から伝来されてきたのだそう。なつかしさのなかにどこか風格が感じられるのは、そのせいかもしれませんね。
生姜糖が香る柴舟や、加賀みそを練り込んだみそ半月、クリームを詰めたパピロなど、味も形もいろいろ。丁寧に一枚一枚焼き上げられた加賀せんべい、ぜひ一度食べてみて。
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その2:石川県有数の癒しスポット!3つの温泉街を持つ加賀市

南加賀といえば外せないのが、温泉の存在です!
「山代温泉」「山中温泉」「片山津温泉」を合わせて”加賀温泉郷”と呼ばれるこの地域には、古くから多くの湯治客や観光客が訪れる人気のエリア。
それぞれの温泉地には個性があり、たとえば山代温泉は与謝野晶子も愛した情緒あふれる町並みが魅力。山中温泉には、伝統工芸「山中漆器」にふれられる工房・ギャラリーもあり、温泉とあわせてゆったりとした時間が楽しめます。
さて、今回はその中から「山中温泉」「山代温泉」の名店和菓子をそれぞれご紹介します!
娘娘万頭|山中石川屋(加賀市 山中温泉)

温泉といえば、温泉饅頭!…ということで、山中温泉を訪れたら必ずチェックしたい定番おみやげが『山中石川屋』の「娘娘万頭」です。
”娘娘”は”にゃあにゃあ”と読み、加賀地方の言葉で「娘さん」という意味。なんとも可愛らしい響きです。ちなみに娘娘万頭の小ぶりな小判型は「おしとやかな娘さんの小さな口でも食べられるように」という理由で考案されたのだそう。
山中温泉のきれいな水とこだわりの小豆を使用した自家製餡と、黒糖と地元のみその風味が調和した薄皮が、お口の中でふんわり溶けるまろやかな味わいです。
娘娘万頭はこちら加賀紫雲石|音羽堂(加賀市 山代温泉)

ふっくらと炊き上げた小豆や白小豆、うぐいす豆などをやわらかい寒天で包んだ「加賀紫雲石」。まるで宝石のようにキラキラしたこの和菓子、なんと仕込みから完成までにおよそ3日間を要するのだそうです。丁寧に作られているからこそ、この美しさなんですね!
作っているのは山代温泉で昭和26年からつづく和菓子店『御菓子処音羽堂』。看板商品の「紫雲石」は、いまでは東京の百貨店に並ぶほど人気なのだとか。
加賀紫雲石はこちら
その3:自然豊かな能美市と川北町。伝統工芸「九谷焼」も有名!

能美市と川北町は、石川県最大の河川「手取川」に育まれた、自然の豊かな地域です。清らかな水に恵まれていることから、米づくりや野菜づくりも盛んで、のどかな田園風景が広がります。
ちなみに能美市は、石川県を代表する伝統工芸「九谷焼」の産地としても有名なんです。赤・黄・緑・紫・紺青の“加賀五彩”と呼ばれる鮮やかな色彩で絵付けされた器は、唯一無二の美しさ。加賀百万石の歴史や美意識を今に伝えています。
今回は、そんな能美市で大正3年から続く老舗菓子舗の銘菓をご紹介します!
はと麦の里&はと麦カステラ|イルグラーノたかぎ(能美市)

霊峰白山の清らかな水の恵みを受ける自然豊かな能美市は、健康志向のスーパーフード、はと麦が特産品のひとつ。大正3年創業の老舗菓子舗『イルグラーノたかぎ』では、能美市産のはと麦を使用したお菓子を作っています。
ひとつは甘さを控えたふわふわの「はと麦カステラ」。もうひとつは、かぼちゃやほうれん草などの野菜あんをたっぷり詰め込んだヘルシーなパイ「はと麦の里」です。「はと麦の里」は今上天皇(徳仁陛下)が皇太子であられた時に献上した逸品です。
はと麦銘菓詰め合わせはこちら
老舗の名物から現代的な和菓子まで!魅力あふれるおみやげで南加賀の旅気分を。
南加賀の名店和菓子、いかがでしたか?
どのお菓子にも、その土地ならではの風景や人びとの暮らしがほんのりとにじんでいて、食べるだけで南加賀の空気に触れられる気がしますよね。
観光で訪れた際のおみやげとしてはもちろん、お取り寄せで旅気分を味わうのもおすすめ!老舗の丁寧な手仕事や、地元食材への愛情を感じながら、南加賀の魅力を味わってみてくださいね!

じのもんライター:中嶋 美夏子
大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。