地元のホクホクさつまいもをふんだんに。『リッチ・モント』の「かほっくり」スイーツ
『リッチ・モント』は、石川県かほく市で長く愛される洋菓子店。
店内には名物のロールケーキをはじめ、さまざまな商品が並びます。
なかでも注目したいのが地元のブランドさつまいも「かほっくり」を使ったスイーツ。
二代目の店主の南谷さんに美味しさの秘密を伺いました。
お店の歴史について

創業は1981年。当時の洋菓子店は現在のそれとは少し立ち位置が異なり、ケーキだけでなくパンなども販売する、人々の日常に密着したお店だったのだといいます。
創業者の息子である南谷さんは、1990年代末から2000年代初頭にかけて兵庫県の洋菓子店で修行。
それまでの「町のケーキ屋さん」から本格的な洋菓子をショーケースに並べるのが主流になりゆく中、お父様から店を継ぎ、現在に至ります。
時代とともに商品を変えながらも、昔も今も地域密着の姿勢はそのままに。
地元・かほく市で愛され続けるお店です。
リッチ・モントとかほっくりの出会い
ある日、神戸での修行から戻ったばかりの南谷さんのもとに、かほく市の商工会から「特産のさつまいもを使ったスイーツを作ってくれないか」という依頼が舞い込みました。
そのさつまいもこそが「かほっくり」。
「かほく市で栽培され、栗のようにホクホクしているから」という由来で名づけられ、現在は地域ブランドとして広く認知されていますが、当時は駆け出しの存在でした。
地域の盛り上げに一肌脱ごうと依頼を快諾した南谷さん。
それから今日に至るまで、さまざまなかほっくりスイーツを作り続けてきたといいます。
現在は、定番品として「かほっくりタルト」「かほっくりドーナツ」を通年で販売しています。


「ホクホクとした食感」を生かす工夫

そもそもかほく市をはじめとした石川県の沿岸の砂丘地は、水はけの良い土がさつまいも栽培に適していることから、江戸中期ごろから盛んにさつまいも栽培が行われてきた地域なのです。
蜜の詰まったねっとり系のさつまいもに対し、ここで獲れるさつまいもは「ホクホク」が特長。
その持ち味を生かすため、「かほっくりドーナツ」と「かほっくりタルト」には工夫がしてあるといいます。
それは、さつまいもを練り込むだけでなく、さつまいもの甘露煮を入れること。
「もちろんスイートポテトみたいにしても美味しいんですけど、やはり食感を生かしたいですからね」と南谷さん。
ホクホク食感を損なわないよう大きめにカットした「かほっくり」がゴロゴロと入っており、食べ応えも十分。
さつまいも好きの人にこそ食べてほしい、これぞさつまいもスイーツという美味しさです。
おだやかな土地柄。地元に寄り添う店として

「かほく市のいいところは?」と尋ねると、笑いながら「生まれてからずっとここだから、逆にわからないなぁ」と南谷さん。
少し考えて、「でも、かほく市は能登に近い地域なのもあって、せかせかしていない雰囲気があるかな。人々が穏やかに暮らす町です」と続けます。
石川県のほぼ中央に位置するかほく市は、加賀と能登のちょうど境目のあたりに位置する町。
金沢市からも車で30分ほどとアクセスが良く人の行き来が活発なエリアではありますが、たしかにどこかゆったりとした空気が流れています。
「昨今は材料費高騰の問題などがあり難しい部分はありますが、やはり地元に密着した店ですから。手の届きやすい価格で続けていきたいという思いがあります」と南谷さん。
日常のなかでちょっと自分にご褒美をあげたいとき、お祝い事があったとき。
「どれにしよう」と楽しく選んで、美味しく食べてほしい。
そんな願いを、一つひとつのお菓子に込めて作っているといいます。
かほく市特産の「かほっくり」を使ったスイーツ。
ほっこりとした味わいに、この町の素敵なところが映し出されているように感じました。
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(DATA)
リッチ・モント 宇ノ気店
076-283-4678
石川県かほく市宇野気ニ20−7
営/10:00~19:00 (水曜は15時まで)
休/火曜
[Instagram]@patisseries.richmond ※外部サイトに遷移します

じのもんライター:中嶋 美夏子
大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。

