伝統工芸・九谷焼×手作り硝子 美の融合「九谷和グラス」
今回紹介したいのは、九谷焼と江戸硝子をはじめとする手作りの硝子というふたつの伝統工芸を融合させた清峰堂の「九谷和グラス」です。
それぞれの伝統に恥じぬよう、ひとつひとつが丁寧に手作りされていました。
九谷和グラスの脚部分はそのほとんどが手描き。
「九谷五彩」とよばれる伝統的な緑・黄・紫・紺青・赤の5色で描かれた華やかなデザインのほか、
やわらかな色使いと優しいタッチがかわいいデザインなど種類も豊富です。
■九谷焼の制作風景
この商品の要は、九谷焼とガラスの接合部分。
素人の私は「ガラス側を溶かしてくっつけているんだろうな」と短絡的に思っていましたが、
実際には、異なる素材をつなぎ合わせるのは至難の業で、何とかくっついたとしても数カ月もすれば取れてしまうというのが従来の業界の常識だったそうです。
何年もの研究の末、ついに確立した接合技術は商品自体を壊さない限り外れないレベルなのだとか!
これにより、2006年度グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)を受賞されています。
■手作り硝子の制作風景
製品ラインナップは、いつもの晩酌がワンランクアップする麦酒グラスや冷酒グラス、珍味入れとしても人気の馬上グラス、温かい飲み物も楽しめる耐熱ガラス(※こちらはマシーンメイドのガラスが使用されています)のマグカップなど様々。
スポンジで手洗いすることができるのでお手入れしやすく、長く愛用できるのもうれしいポイントです。
“和洋空間の自然調和”をコンセプトとして作り出された九谷和グラスは、
「昔ながらの九谷焼はうちの食卓に合わなくてちょっと手を出しにくい……」
という人たちのライフスタイルにもすっと入り込める製品だと感じました。
ハレの日にはもちろん、日常に新しい伝統工芸を取り入れてみてはいかがでしょうか。
■ほっと一息つきたいティータイムも、お気に入りの食器ならさらに気分が上がります
<じのもんオンラインショップで販売中>
清峰堂株式会社
0761-57-2133
石川県能美市新保町ヲ48
じのもんライター:北田 ゆき
生まれも育ちも石川県。独身の頃は、友人と話題のスポットへ行ったり一人旅に出掛けたりと自由気ままな生活を送った。子どもが生まれてからはなかなか自分時間が取れずにいるが、雑誌やSNSを見ては「子どもが大きくなったら一緒にここへ行こう」と夢を膨らませている。