加賀百万石の時代から続く押し寿司文化。身近に楽しめる、柿の葉寿司と笹寿司はいかが?

加賀百万石の時代から続く押し寿司文化。身近に楽しめる、柿の葉寿司と笹寿司はいかが?

金沢を含む石川県の加賀地方には、古くから押し寿司の文化が根付いていたと言われ、現代でも「柿の葉寿司」や「笹寿司」が広く親しまれています。

今回は、金沢市の柿の葉寿司・笹寿司の専門店『みやこや』さんの商品をご紹介。

「柿の葉寿司」と「笹寿司」。
その名の通り、柿の葉寿司は柿の葉で、笹寿司は笹の葉で酢飯と具材を包んだもの。
それぞれの葉の香りが酢飯に移り、独特の風味を生み出します。
発祥は奈良とも言われていますが、加賀地方でも長い歴史を持つ郷土食なのは間違いありません。
中でも柿の葉寿司の歴史は加賀百万石で有名な前田利家公の時代にまでさかのぼることができ、
「金沢入城を祝い領民が柿の葉で包んだ独特の寿司を献上したところ、大変珍重された」
という記録があるのだと言います。
押し寿司は、かつてはハレの日に限って各家庭で作られるものだったと言いますが、現代ではお店で気軽に手に入るため、ぐっと身近な存在に。
家族や親戚が集まる日の定番として、食卓を賑わせています。

■柿の葉と笹の葉の香りによって、具材が同じでもそれぞれ微妙に異なる味わいに。

金沢の中心地にある人気寿司店『金澤玉寿司』が営む押し寿司専門店、『みやこや』。
握り寿司は日持ちが難しいため、「お土産として持ち帰れる寿司を」と考えた先代が創業しました。
柿の葉や笹の葉には自然の殺菌作用があり、魚は酢で締めることで長持ちする。
柿の葉寿司や笹寿司は、そんな保存食の知恵から生まれた食文化。
まさにお土産にぴったりです。

握り寿司と押し寿司では見た目も味も異なりますが、共通する点も。
たとえば、『みやこや』で使う寿司酢は『金澤玉寿司』で使用しているのと同じもの。
寿司の味を決める最も大事な要素。オリジナルの調合のものです。
そして何よりの強みは、職人が握り寿司のノウハウを活かし、魚をさばけること。
素材にこだわり、“寿司店の押し寿司”としてのプライドを持ち続けています。

なぜそこまでこだわりを?お聞きすると、
「大げさかもしれないですが…」と前置きしながらも、
「やっぱり、伝統文化ですから。継承していかなきゃという気持ちがある」
と、真摯なお気持ちをお話してくださいました。

今ではすっかり身近な存在となった笹寿司や柿の葉寿司ですが、歴史ある郷土の味。
その文化を受け継ぐ存在として、『みやこや』はこれからも美味しい押し寿司を作り続けていくでしょう。

■目にも華やかな具材が食卓に彩りを添えてくれます。

<じのもんオンラインショップで販売中>

柿の葉寿司・笹寿司詰合せ


株式会社みやこや
076-241-6588
石川県金沢市千日町1-5
営/9:00~17:00
休/土曜、日曜、祝日


じのもんライター:中嶋 美夏子

大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。

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