魚のある暮らしを能登から届ける“お魚のプロ集団”。食卓に『能西水産』の味噌粕漬けを。
お魚、食べてますか?
消費量が減少傾向にある魚介類。食生活の変化などに加え、「自宅で捌いて調理するのはちょっとハードルが高い…」と感じる方が多いのも、その要因かもしれません。
でも、やっぱり魚って美味しい。もっと手軽に味わうことができたら…!そんなニーズに応えるべく、能登の地で“魚の味噌粕漬け”などの加工品を生産する『能西水産』さんにお話をお聞きしました。

■頼もしい熟練の職人たち。
「みんな、その分野のプロ中のプロばかりです」
会社の職員たちについてそう話すのは『能西水産』の代表、吉田千里さん。
七尾の市場で魚を見極め、競りに挑む仕入れのプロ。
熟練の技でどんな魚も美しく捌き、手早く加工するプロ。
「得意な分野を担ってくれるおかげで、私は経営に集中できるんです」
という言葉から、厚い信頼関係がにじみます。
ネット販売に乗り出したのはコロナ禍がきっかけでした。
旅館やホテル、福祉施設など、地域の施設とコツコツ信頼関係を築きながら取引先を広げてきたという同社ですが、コロナで休業が相次ぎ、状況が一変。
「そこから一念発起できたのは、先代社長の叔父、そして専務を務めた父の姿があったからこそです。
『いしる干し』や『味噌粕漬け』などの現在の定番商品は、父と叔父が地域の皆さんと育ててきたもの。歩みを無駄にしてはいけないとの思いでした」
と吉田さん。

■味噌と粕の割合を検証し、一番まろやかな味に仕上がった割合を採用したといいます。
「味噌漬け」でも「粕漬け」でもない。秘伝の「味噌粕漬け」
ネット販売でも人気だという商品のひとつが「味噌粕漬け」。
魚の旨味を引き立てる絶妙な割合で味噌と酒粕をブレンドした “秘伝の味噌粕”に漬け込んだ魚の切り身です。
味噌粕を馴染ませた切り身を素早く真空パック。ベテランの手仕事によって閉じ込められた風味がみなさんのご家庭に届きます。
中火でじっくり焼き上げるとふんわりとした香り。味噌の風味と粕の甘味がお口の中に広がる、至福の味わいです。
地元産の調味料にもこだわりが。
「醤油、薄口醤油、みりん、酢は、同じ町内の『カネヨ醤油』さんから。
味噌は羽咋市の『高澤醸造』さんのもの。クセがなく、それでいて深みのある味は漬け魚にぴったりです」

■「魚をもっと身近に」との思いでオープンした東山の惣菜店「波の綾」。「お刺身は職人が。お惣菜は熟練のおばちゃんの手作りです」
“魚のある暮らし”を多くの人に届けたい
「海のそばで育ち、父が捌く新鮮な魚を毎日のように食べて育ちました」
と話す吉田さん。
〆さば、いわしのぬた、イワシの団子汁、さざえの刺身やつぼ焼き、ぎばさ(海藻)の味噌焼き、しただめ(巻貝)の味噌汁…。
当たり前のように海の幸が食卓に並ぶ。そんな豊かな”食”の記憶。
そんな故郷の風景が、能登半島地震によってがらりと変わってしまいました。
現在も続く家屋の解体を目にするたび、胸が締め付けられる思いだという吉田さん。
だからこそ、能登の美味しい魚を発信しつづけたいと言います。
「それこそが、私の好きな故郷の思い出を風化させないことに繋がると思います。
能登の魚を食べてきた日々は、今の私の生きる力の土台。みんなにもそんな”魚のある暮らし”を届けたい」。
魚をもっと身近に。
そんな思いを胸に、試行錯誤の日々がこれからも続きます。

■「魚のプロ」の味をご家庭で手軽に。
<じのもんオンラインショップで販売中>
株式会社能西水産
0767-45-1805
石川県羽咋郡志賀町西海千ノ浦ト36−1
営/9:00~17:00
休/水曜、日曜
[Instagram]@naminoaya.23 ※外部サイトに遷移します

じのもんライター:中嶋 美夏子
大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。