地元の完熟いちじくを皆さんにおすそ分け。“いちじくの町”で変わらない味を守り続ける町の和菓子店

地元の完熟いちじくを皆さんにおすそ分け。“いちじくの町”で変わらない味を守り続ける町の和菓子店

石川県の中腹ほどに位置する宝達志水町。特産品のひとつとしていちじくがあり、夏から秋にかけて沢山の赤い果実が実ります。

そんないちじくをジャムやお菓子に加工する町の和菓子店『御菓子処めんでん』さんにお話をお聞きしました。

■宝達志水町で長く愛される、町の和菓子屋さんです。

能登で最も高い山はその名を「宝達山」と言い、かつては金山として栄えた、まさに”宝の山”だったという歴史を持つそうです。
そのふもとに広がる宝達志水町は人口1万人ほどの小さな町。
田畑が広がる懐かしい風景の中で、人々が穏やかに暮らしています。

「私が子どものころは、宝達山といえば小学生が遠足で登る山だったんですよ」
そう話してくれたのは、町で40年以上続く和菓子店『御菓子処めんでん』の二代目・免田奈美さん。
思い出の中にも、いまの景色にも。宝達山に見守られながら営まれる人々の暮らしは、今も昔も変わりません。

■完熟のいちじくだけを使ったジャム。いちじくそのままの味を楽しめます。

特産のいちじくを瓶にギュッと詰め込んで

この町の特産品といえば、いちじく。作付面積は石川県内で一番なのだとか。
『めんでん』でも、そんな地元産のいちじくを使った商品を昔から手がけています。

「いちじくは生産者から直接仕入れています。市販のものと比べると、とにかく糖度が高くて美味しいんです」
と、免田さん。
旬の時期には、獲れたてのいちじくを日に10〜20kgずつ仕入れ、手間をかけて丁寧に仕込みます。年間で扱う量はなんと約500kgにも。

そんないちじくを使った「いちじくジャム」は、近隣の道の駅にも並ぶ人気商品。
たまたま手に取った旅行客が「今まで食べたジャムの中で一番美味しい!」と、リピーターになることもあるという自慢の一品です。
完熟のいちじくに、味を整えるために少しの砂糖とクエン酸を加えるだけ。いちじくの美味しさをシンプルに味わえる昔ながらの製法を貫いています。

■宝達志水町の名物として長年愛されるパイ菓子「いちじくの里」。

そしてそのジャムを使ったお菓子「いちじくの里」。
白あんにいちじくジャムを練り込みパイ生地で包んだ、和洋折衷菓子です。
いちじくの種のプチプチした食感が残る優しい味わいの白あんが特長。町の人から愛され続ける名物のひとつです。

『めんでん』のロングセラー商品。発売はいつごろなのですか?とお聞きすると、
「私の代になったときには既にあったので、先代に聞いてみないとわかりませんね。きっと、ずっと前です」
と笑いながら答えてくれました。
昔から当たり前のようにあって、今も変わらず寄り添ってくれる。素敵なお菓子です。

いちじくの町で、これからも日常を

いちじくはやわらかくて傷みやすい、デリケートな果物。
葉でこすられるだけでも傷になってしまうため、各農家では実を守るためにさまざまな工夫を凝らしているのだそうです。
それでも、雨風の特に強い日には流通に乗せられない実がちらほら。そうした果実も『めんでん』が引き取って、美味しいジャムへと生まれ変わらせています。
ちいさな果実を大切に想う、やさしい人々の暮らし。

「やっぱり、美味しいものを食べてもらいたいという思いで作っています」
と言う免田さん。
そんな素朴な思いを映し出したようなジャムとお菓子。
宝達志水町のあたたかな風景を想像しながら、どうぞ召し上がれ。

■いちじくジャム、いちじくの里をセットにしてお届けします。

<じのもんオンラインショップで販売中>

いちじくの里・いちじくジャム


御菓子処めんでん
0767-28-3326
石川県羽咋郡宝達志水町今浜チ7−甲の3
営/8:00~19:00
休/不定休


じのもんライター:中嶋 美夏子

大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。

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