フワフワおぼろ昆布、サラダにかける昆布、トーストにかける昆布!昆布が食べてみたくなる魔法をあなたに。

フワフワおぼろ昆布、サラダにかける昆布、トーストにかける昆布!昆布が食べてみたくなる魔法をあなたに。

江戸半ばから明治にかけて、北海道と大阪を往復していた商船「北前船」。能登はその重要な寄港地のひとつでした。そんな経緯もあって、能登では北海道から届く昆布に親しみ、伝統食のなかにも自然に取り入れられていったのだそうです。

能登の地で、長年にわたり昆布加工品を製造する『大脇昆布』をご紹介します。

■専用の道具で昆布を削る様子。昆布は黒っぽい色をしていますがそれは表面だけ。中身は白いのです。

薄く削った昆布は、大きく2種類に分類されます。
十数枚の昆布を重ねて圧縮し、側面から機械で削る「とろろ昆布」と、職人が1枚ずつ昆布の表面を手作業で削る「おぼろ昆布」。
特に後者は、習得に長い年月を要する熟練の技といわれています。

…と思いきや、『大脇昆布』の大脇さんからは
「実はあまり苦労せずに削ることができたんです。物心ついたときから工場で仕事を見て育ってきたので…」
と、意外な答えが。
昔ながらの職人技は、直接手取り足取り…というわけにもいかず、”見て覚える”の世界。
つまり、大脇さんは子どものころから知らず知らずのうち昆布削りの修行をしていたようなものなのでしょうか。
「継ぐことを決意した瞬間といったものはなく、昔からそれが当たり前と考えていました」
とサラリ。かっこいいです。

■「とろろ昆布とおぼろ昆布、どちらも昆布を細胞レベルまで薄く削っています」と言い、その厚みはなんと0.01ミリ~0.04ミリ。驚きです。

フワフワのおぼろ昆布は、口に入れると一瞬で溶けてしまうほど。自然な甘みが口いっぱいに広がります。
特に、今まさに削ったばかりのおぼろ昆布の味は格別。
「物産展などで昆布削りの実演をすることがあるのですが、その場で食べていただいたときの感動の声は何度聞いても本当に嬉しいものです。
自分たちの原点はこのおぼろ昆布削りにあると再認識させてもらえます」
と大脇さん。

■「昆布は地味で年配の方が食べるもの…という印象。そのイメージを払拭したい」と大脇さん。

昆布ってどうやって食べたらいい?おすすめがあります。

おぼろ昆布のおすすめの食べ方は?尋ねると、
「豚肉と白菜のミルフィーユ鍋を作るとき、おぼろ昆布を間に挟むとおいしいです」
とのこと。
昆布のうま味と豚肉のうま味の相乗効果で、さらにおいしくなるのだそう。これはぜひ試してみたい!

ただ、現代人の食生活の変化もあるのでしょうか。「昆布は食べ方がわからない」と言われることもしばしばだと言います。
そこで湧いてきたアイディアが「商品名で食べ方を説明すること」!
「トーストにかけて食べる昆布」「納豆にかける玄米入りこんぶ」「サラダにかける玄米入りこんぶ」…。
なるほど、一目で食べ方がわかるし、「こんな食べ方があるんだ!」と試してみたくなります。
パッケージも、若い世代の人たちでも親しみやすいテイスト。昆布のイラストがかわいくて、ちょっとしたギフトにしても喜ばれそうです。「トーストに昆布!?」なんて盛り上がってしまうかも。

■トーストと昆布とは意外な組み合わせ!全国放送のバラエティ番組で取り上げられ、一時品切れになったことも。

能登の海とともに、これからも

実は、昆布そのものは能登では採れません。でも、昆布を使った料理はこの土地の文化としてしっかり根付いています。
きっと、海とともに生きるこの土地の感性が、遠い北の海からやって来た昆布とぴったりマッチしたのでしょう。

「県外に出かけると、旬の魚を新鮮なまま食べられる能登の贅沢さに気づきます。能登の海は、“おいしそうな海”」
と大脇さん。
「宇出津湾から立山連峰がくっきり見えると、いまだにテンションが上がります。思わず車を走らせて“映える場所”を探してしまうぐらい」。
見慣れた景色のはずなのに、美しさにハッとさせられる。
そんな能登の地で、今日もひたむきに昆布と向き合う大脇さんなのでした。

■できるだけ削りたてをお届けできるよう、毎日少量ずつ生産しています。

<じのもんオンラインショップで販売中>

大脇昆布詰め合わせ


有限会社 大脇昆布
0768-62-3447
石川県鳳珠郡能登町宇出津山分4-63-2
営/9:30~18:00
休/日曜 その他不定休あり
[Instagram]@ohwakikonbu ※外部サイトに遷移します


じのもんライター:中嶋 美夏子

大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。

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